車上生活とは、キャンピングカーを住まいにして、移動しながら暮らすことです。
自分の好きな場所や時間に自由に行動できるというメリットがありますが、一般的な家で暮らす場合とは違った問題もあります。
この記事では、車上生活を始めるために必要な手続きやコツ、住民票や税金などの行政的な面、生活費や収入などの経済的な面について詳しく解説します。
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車上生活を始める前に準備すること
車上生活を始める前に、以下の3つのことを準備する必要があります。
- キャンピングカーの購入
- 住民登録の変更
- 車庫証明の取得
キャンピングカーの購入
キャンピングカーは、車両としての機能だけでなく、生活できるほどの設備を備えたものです。
そのため、一般的な自家用車に比べて高価です。
一台の購入費用は、1千万円を越えることも少なくありません。
キャンピングカーを購入する際には、以下の点に注意しましょう。
- 自分の予算やニーズに合ったサイズやタイプを選ぶ
- 新車か中古車かを検討する
- 販売店や個人から購入する場合は信頼性や保証を確認する
- 購入後のメンテナンスや修理代も考慮する
住民登録の変更
日本では、キャンピングカーで住民票を取得することができません。
そのため、友人や家族にお願いして同居人という扱いにしてもらうか、家賃の安い賃貸物件を借りて住民登録をする必要があります。
住民登録を変更する際には、以下の点に注意しましょう。
- 住民登録した住所で免許証や保険証などの各種証明書を更新する
- 住民登録した住所へ役所からの書類などが届く場合は、同居人からこまめに連絡をもらう
- 住民登録した住所から離れて暮らす場合は、国勢調査や選挙などへの参加が困難になる可能性がある
車庫証明の取得
キャンピングカーは車両であるため、車庫証明が必要になります。
車庫証明とは、自動車を保管する場所(車庫)が確保されていることを証明する書類です。
車庫証明は、自動車登録時やナンバープレート変更時に必要です。
車庫証明を取得する際には、以下の点に注意しましょう。
- 車庫証明は、住民登録した住所で登録するか、自宅から2km以内の契約駐車場や、キャンピングカー専用のモータープールに停めることで取得できる
- 車庫証明を取得するためには、警察署や陸運支局に申請書を提出し、現地検査を受ける必要がある
- 車庫証明の有効期限は1年で、更新する必要がある
車上生活を始めた後に気をつけること
車上生活を始めた後には、以下の3つのことに気をつける必要があります。
- 衣食住の環境づくり
- 駐車場の確保
- 税金の納付
衣食住の環境づくり
車上生活では、衣食住に関わる環境づくりが重要です。
それぞれの環境づくりのコツは以下の通りです。
衣
キャンピングカーの収納スペースは限られているため、衣類の量は必要最低限にすることがポイントです。
キャンピングカーを住まいにするなら、1週間分の衣類を持っているとよいでしょう。
また、洗濯機が備え付けられているキャンピングカーはほとんどないので、洗濯は基本的にコインランドリーを活用することになります。
洗濯するタイミングでコインランドリーが近くにある場所にいられるように、移動先を考えることが大切です。
食
キッチンがついているキャンピングカーを選べば自炊ができます。
外食ばかりだと食費が高くなるので、キッチンがないキャンピングカーでもできるだけ自炊ができる環境を整えることをおすすめします。
ただし、車内で調理をすると食材のにおいが染みつく可能性があるので、におい対策しっかりおこなう必要があります。
その他にも、食材や水の保存方法や消費期限などに注意することも忘れずにしましょう。
住
インターネット環境については、一般的にポケットWi-FiやフリーWi-Fiを活用する方が多いです。
インターネットは仕事や情報収集などに欠かせないものですが、通信料金や電波状況なども考慮する必要があります。
お風呂やトイレは備え付けられている場合もありますが、そうでない場合は、温浴施設を利用したり、ポータブルトイレを用意したりしましょう。
また、睡眠環境については長期間の車中泊でも疲労がたまらないように、寝具はご自身に合ったものを使うとよいでしょう。
駐車場の確保
車上生活を始めたら、駐車場の確保が必要です。
キャンピングカーは、一般的な自家用車と比べて大きく重いため、駐車場に停める際には、以下の点に注意しましょう。
- 駐車場の高さや幅、長さを確認する
- 駐車場の地面が平らであることを確認する
- 駐車場の入り口や出口が広くて曲がりやすいことを確認する
- 駐車場の利用料金や時間帯などを確認する
また、長期間同じ場所に停めることはできないため、移動先で駐車場を探す必要があります。
駐車場を探す際には、以下の点に注意しましょう。
- 事前にインターネットで情報収集する
- 駐車場の利用料金や時間帯などを確認する
- 駐車場の周辺環境(コンビニや温泉など)を確認する
税金の納付
キャンピングカーで生活する場合でも、税金は納付しなければなりません。
以下の税金がかかります。
- 自動車税
- 住民税
- 国民健康保険料
自動車税は、自動車登録時に納付します
住民税は、住民登録した市区町村で納付します。
国民健康保険料は、国民健康保険に加入している場合に納付します。
まとめ
今回は、車上生活の始め方と注意点や、住民票や税金などがどうなるのかについて解説しました。
車上生活は、一般的な家での生活と比較すると、時間や場所に縛られない暮らしが送れるほかに、固定資産税がかからないというメリットがあります。
一方で、長期的には維持費や買い替え費用が高額になる可能性がある点に注意が必要です。
ご自身の理想の暮らしと予算について長期的な目線で考えたうえで、暮らしの拠点をキャンピングカーにするかどうか検討してみるとよいでしょう。
帰る場所、落ち着ける場所は人それぞれ。
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