キャンピングカーで自宅駐車場に住むというライフスタイルに興味はありませんか?
最近ではリモートワークなどの普及で個人が今までよりも自由に住む場所を選ぶことが可能な時代になりました。
そんなときキャンピングカーなら、好きなときに好きな場所へ移動できる自由さと、快適な生活空間を両立できます。
そこで本記事では、気になるけれどまだまだ知られていないことも多い、キャンピングカーでの生活について、そもそもキャンピングカーを自宅にできるのかといった疑問や車に住んでも違法にならないかなどを解説しています。
車に住むことは違法?
車に住んではいけない、という法律はありません。
しかし車の取り扱い方ひとつで、違法行為になることがあります。
ここでは車に住みたい人に向けて、ついやってしまいかねない違法行為をご紹介していきます。
車を購入したら、車庫証明の手続きをすることになります。
車庫証明は、車の使用者が保管場所を明らかにする書類ですが、都心での割高な駐車代を節約する等の理由で、本来の保管場所とは違った場所で車庫証明を取得しようとする方がいます。
これは「車庫飛ばし」と呼ばれ、違法行為になります。
基本的に、所有する車は車庫証明手続きした場所に保管することです。
また車に住むため移動を繰り返し、道路に長時間駐車したり、道路を車庫代わりにした場合、20万円以下の罰金が科せられる場合があります。
車に住む場合は、駐車する場所に十分気を付けましょう。
「バンライフ」の人気が高まっている
「バンライフ」とは、車中泊仕様の車を生活の拠点とするライフスタイルのことです。
従来のようにマイホームを構えることだけが、幸せだとは限らない時代。
人々の価値観も本当に多様化しており、一風変わった暮らし方にチャレンジするのも良いでしょう。
最近では、ライフスタイルは選択肢がとても増えてきています。
インスタグラムなどのSNS上でも、「#VANLIFE」で世界中のバンライフが共有されているのです。
これまでの固定概念にとらわれず、自由を求め旅先であらゆることを経験しながら生活するバンライフの人気が高まっていると感じます。
ただの車中泊や車上生活のような路上暮らしと、現在のバンライファーは違います。
自分の好みに合わせて車内を改装し、外装を頑丈にして安全面を考慮した「家」にしているのです。
まさしく「動く拠点」になっているのですね。
バンライファー人口はどのくらい?
バンライフは実際に盛んになってきているようですね。
では、バンライフを送っている人はどのくらいいるのでしょうか。
車中泊スポットのシェアと車中泊仕様の車に特化したカーシェアサービスを提供するCarstayによれば、「世界には120万人、日本には3,400人」バンライファーがいるようです。
モバイルWi-Fiやスマートフォンでのテザリング機能にてインターネットが普及し、働く場所を問わない生活がバンライフ人口を押し上げています。
今後もこの波は止まらず、ライフスタイルの選択肢としてバンライフを考え始める方も増えてくるのではないでしょうか。
キャンピングカーを「自宅」にできるのか?
まず気になることは、キャンピングカーを自宅として使用することは可能なのか、といった点ですよね。
生活するスペースはキャンピングカーの中に作ったとしても、郵便物や宅急便の受け取りはどのようにするのでしょう。
日本で生活している方は、どこかの市区町村に戸籍登録があるはずです。
本籍地や住所などのデータを登録し、必要な場合は住民票や印鑑証明書などが取得できるようになっています。
キャンピングカーに限らずですが、車を購入する場合はこのような各種証明書の提出が必要です。
どこに居住しているのか、といった確認をとられるわけですね。
そのため、残念ながら住所不定の流浪人になることは現実的ではないでしょう。
では、土地はしっかり保有し、その自宅駐車場にキャンピングカーで住むといったスタイルはどうでしょう?
これならば、少し現実的に感じられます。
民法22条には、「各人の生活の本拠をその者の住所とする」という規定があります。
これを考慮すると、自宅駐車場にキャンピングカーでの「生活・居住の実態あり」と認められれば住所となり得る可能性もありそうです。
ただし、キャンピングカーは移動できる性質があるので、その土地に生活の実態があるかどうかは行政側の判断に任せられるかもしれません。
なかなか住所登録は認めてもらえない場合もありますが、交渉次第でしょうか。
いずれにせよ、住んでいないにしても自宅や実家などの住所が住民登録をする際には必要になるようです。
キャンピングカーに住むと住民票(住所)はどうなる?
キャンピングカーに住みたい人にとって、住民票(住所)をどうするかの問題は出てきやすいものです。
キャンピングカーに住むと、住民票はどうなるのでしょうか?
結論から言うと、日本においてキャンピングカーで住民票を取得することはできません。
しかし、住所不定では社会的生活が不可能になってしまいます。
対策として、家族や友人に依頼して同居人扱いにしてもらうか、格安シェアハウスなどを利用して住民票を登録をすることになります。
キャンピングカー生活で住所が定まらない場合、郵便物をどうするかの問題もあります。
家族や友人の同居人扱いなら保管してもらったり、局留めや営業所留めにする方法もあります。
住民票を置いた格安シェアハウスによっては、届いた郵便物を指定した場所に転送してくれるサービスもあるようです。
キャンピングカーでの生活には耐用年数も考えて
耐用年数とは、適切にメンテナンスをしながら保有した場合、どの程度の期間、車両を有効に使用できるかといった目安のことです。
木造住宅や鉄筋コンクリートの住宅では、個別の状態にもよりますが20-40年が目安のようです。
キャンピングカーはこのような住宅よりもメンテナンスに時間も費用もかかってしまうのは想像できるのではないでしょうか。
住宅として使用していたとしても、元はやはり「車」なので、20年以上使い続けるにはなかなか厳しいと感じてしまいます。
住宅と同じくらいの耐用年数で考えてはいけませんね。
車内にトイレがついているキャンピングカーも多いですが、水回りのメンテナンスはとても重要です。
水回りはとくに劣化も激しいです。
また、ドアやガラス部分が劣化してしまうと雨漏りの心配もありますね。
移動が多くなれば、それだけタイヤも消耗してしまうでしょう。
実際に不都合がおきてしまっては不便なので、メンテナンスには注意が必要です。
やはり家での暮らしが良い?
暮らしとお金は切っても切れない関係にあります。
キャンピングカーで生活した場合、税金はどうなるのでしょうか。
まず、住宅を保有している場合にかかる固定資産税についてです。
固定資産税は、土地と住宅の両方に課税されますが、住宅が建っていない更地の場合は通常よりも高い税率が土地にかけられてしまいます。
住宅の敷地になっている土地は、200㎡までが1/6、それ以外を1/3に固定資産税を軽減してもらえる特例があるのです。
自宅駐車場を利用せず、土地だけを保有してのキャンピングカー生活を考えた場合は、固定資産税が高めにかかってしまうでしょう。
また、住所登録をしている市区町村に住民税の支払いも必要です。
住所は必ずどこかに登録する必要があるので、その自治体にきちんと納めましょう。
キャンピングカーで全国各地で生活をする場合気になる項目としては、治安もありますね。
日本では、車中泊のキャンピングカーに対して危害がくわえられるケースは多くないかもしれませんが、防犯対策として窓に目貼りをするなど危機管理は忘れずにいたいものです。
車を停める場所も重要でしょう。
道の駅やサービスエリア、オートキャンプ場などが考えられますが、これらはそもそも長期滞在を目的にはしていません。
数日であれば良いかもしれませんが、あまりに連続して滞在し続けるのは厳しいです。
また、どのような田舎に移動したとしても、これら以外の場所でキャンピングカーを停めて車上生活をすることはできないでしょう。
近隣へご迷惑にもなってしまいます。
移動しながらのカーライフであれば、同じ場所にとどまり続けることはないかもしれません。
しかし、同じ場所にとどまる生活であれば、実家や友人宅の敷地内駐車場を借りるなどの交渉が必要でしょう。
自宅駐車場に住むのであれば、心置きなく連泊ができますね。
老後の楽しみにはキャンピングカー生活が最適!?
お子さんが巣立ち、定年でサラリーマン卒業となれば、毎日が日曜日のような第二の人生が始まります。
そんな老後を楽しむ暮らし方のひとつに、キャンピングカー生活があるというのです。
アクティブで羨ましいですね。
ここでは、老後にキャンピングカーを楽しむためのポイントを2つご紹介します。
まず1つ目は、快適な寝床の確保です。
キャンピングカー生活を長く楽しむためには、やはり安眠が一番です。
一度出かけると、いつ戻るかわからないなんてこともよくあるキャンピングカー生活なら、なおさら就寝タイムの快適性が重要です。
就寝時の車内は、ゆったりとスペース確保できるよう工夫しましょう。
2つ目は、キャンピングカーのサイズです。広々としたキャンピングカーを持つもの良いですが、その分駐車場や運転で苦労することもあります。
年齢を重ねることで、運転の感覚が鈍ることも考えられるため、運転レベルに合わせたサイズのキャンピングカーにしましょう。
キャンピングカー生活って安い?
キャンピングカー生活と賃貸住宅での暮らし、どちらが安いのか気になる方もいるのではないでしょうか?
どちらが安くつくのかは暮らし方によって異なるため、どちらが安いかは人それぞれです。
キャンピングカー生活の場合にかかる維持費は主に、ガソリン代、メンテナンス費用、ガス代(あれば)です。
ガソリン代が割合を多く占めるので、走行距離が短ければ節約できます。
ガソリン代の変動も、キャンピングカー生活には大きく影響します。
ガスがついていないキャンピングカーなら外食になるので、その分食費が高くつきやすくなります。
その他、コインランドリー費や銭湯代がかかることも覚えておきましょう。
一方の賃貸住宅に住む場合にかかる維持費は主に、家賃、水道代、電気代、ガス代です。
割合の大きい家賃は毎月固定なので、賃料の安い物件に住むことで節約できますね。
自炊ができるので、食費も安くなるでしょう。
ご自身の生活スタイルに合わせてシミュレーションしてみてくださいね。
キャンピングカー選びで後悔の声!?
キャンピングカー生活に持っていた理想とは裏腹に、キャンピングカー購入後に後悔してしまうことがあるようです。
ここでは、キャンピングカー選びで後悔しないために、実際に購入した方が感じた後悔を3つご紹介します。
1つ目が、「運転しづらい」というものです。
「横風をもろに受けると運転しづらい」「運転席が狭く、ストレスを感じる」といった声があります。
運転の感覚を確かめるためにも、まずは試乗してみたり、レンタカーで数日間借りることを検討しましょう。
2つ目が、「駐車しづらい」というものです。「立体駐車場に入らない」「車高が高いので、ちょっとした買い物でも駐車場探しに苦労する」といった声がありました。
キャンピングカー生活をする皆さんが、避けられない問題のようです。
3つ目が、「サイズ感」です。
狭すぎる、広すぎるといったように、キャンピングカーの使用感が合わないこともあります。
自分の使い勝手に合った大きさ選びが大切です。
キャンピングカー生活をやめた理由とは
著書【世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方】がベストセラーとなったことで有名な八木仁平さん。
キャンピングカーでの車上生活に憧れ、実際に購入したそうですが、キャンピングカー生活は4ヵ月でやめてしまったとのことです。
誰もが憧れるキャンピングカー生活、やめた理由はなんだったのでしょうか?
3つの理由を挙げています。
1つ目が、「そもそも運転が好きじゃない」という理由です。
ペーパードライバーにもかかわらず、キャンピングカーというハードル高めの車を運転する生活が怖かったようです。
1度対物事故も起こしてしまったそうですが、道路上での事故は幸いなかったとのことです。
2つ目は、「内向的な人間にとって無理だった」という理由です。
内向的な人は、外部からの刺激を受けた時の反応が高く、旅という外部の脅威だらけの生き方が向いていなかった、とのことです。
3つ目は「所有した時点で満足してしまった」という理由です。
様々な理想を膨らませていたけど、納車された瞬間に気づいたそうです。
「手に入れること自体が目的になっていた」と。
まとめでは、「やってみる大切さを主張しているぼくですが、こればっかりはやらなくても良かったです」と話しています。
あなたはキャンピングカー生活をやってみたいですか?
まとめ
今回はキャンピングカーで自宅駐車場などに住む生活についてご紹介しました。
住所登録できる土地があればキャンピングカーで生活を送ることは可能であると紹介しました。
しかし、住所登録から車のメンテナンスや居住資金まで、気にしなければならないポイントはたくさんあります。
ですが周りに迷惑をかけないように気づかいすることで、このようなポイントもクリアしていくことができるでしょう。
好きなときに好きな場所で暮らす自由なライフスタイルが、今後ますます増えていくのではないでしょうか。
帰る場所、落ち着ける場所は人それぞれ。